テンションナットの原理は
(1)ヘルツねじを締め付けることで強い軸力が発生
複数のヘルツねじに負荷が分散されるため、大型ボルトでも小さなヘルツねじ分の低いトルクで締め付けができます。
↓
(2)斜面ディスクが荷重を均一に伝達
↓
(3)張力でのボルト締め付けだから高精度
ナット本体はボルトをつかんだまま、ヘルツねじに持ち上げられることでボルトが引き伸ばされます。そしてボルトはバネのように反発して元に戻ろうと押さえつける力が発生して高い軸力で締め付けます。ヘルツねじの入力をトルクレンチで締め付けていくだけで軸力精度は ±10%以内の高精度な締め付けができます。
↓
(4)緩み止め:ナット本体が緩もうと逆回転をするとさらに締まる構造
斜面ディスクは緩み方向へ傾斜角度がついているので、緩もうとするとヘルツねじが斜面ディスクを登り、斜面ディスクは座面にさらに強く押し付けられることで「ボルト軸力が増加」して緩みません。
テンションナットが緩まない理由は
ナット座面やボルトねじ部の摩擦抵抗によってではありません。
斜面ディスク角度が、ねじリード角よりも大きいため
緩まろうとする逆回転方向へ力が働くほど軸力が自動的に増加して、
「さらに強く締まる」構造なのです。